[携帯モード] [URL送信]

FATE【BL】
第23話 5頁
バーナッドの口付けから逃げようとしたアルタイルは、ようやく動けるようになった両手でバーナッドの肩を強く突いた。


「は…放せ!バーナッド。俺はロスが愛していると知っているなら、何でこんなことを!?」


アルタイルは暴れた。ただ、上半身しか動けない。

一方、口付けすることに失敗した土王は全く怒らずに、逆に、微笑んだ。

「そなたを愛しているからです。そなたが生まれた時からずっと…」 土王はアルタイルの耳元に囁き、暴れた風王の両手を握りしめた。


「放せ!!俺はロスを愛している。貴様じゃない!」アルタイルはバーナッドに叫んだ。


「構いませぬ。私は明日そなたを花婿として、何もしないまま、見送ることを待っておらぬ」バーナッドは再び口付けしようとする。


 両手もバーナッドに掴まれ、力が入らない身体も押し付けられ、今回アルタイルは口を護れなかった。


土王の侵入は、最初に焦ったように風王の口の中に暴れた。だが、徐々に口元に戻り、ゆっくりと味わうことになった。


バーナッドはずっと…ずっと…待っていた。この感覚。



アルタイルの唇が思った以上柔らかく新鮮で、バーナッドの唇に触られると、逃げようとしたが、バーナッドの舌に追い付けられ、何回も愛撫された。


 唇が奪われたのは、アルタイルにとって初体験で、身体が勝手に反応してしまった。


 身体の中からだんだん浮かんだ興奮に、僅かに残っている力まで奪われた。


 バーナッドの口付けは激しく、唇が塞がれる為、アルタイルの息が詰まった。強い欲の口付けの後、バーナッドはアルタイルを息づくために休ませた。


「愛しています。アルタイル。知ってほしいです。私はそなたがどんなに愛しいか」バーナッドは優しくアルタイルの瞼にキスした。


解放させられたアルタイルは喘ぎながら言う。

「俺はお前を愛していない。お願いだからバーナッド、これ以上お前を嫌いにさせないでくれ」

 風王は今自力でこの状態から逃げられないと思い、真剣な声で願った。


 ずっと愛していたアルタイルに願われたバーナッドの紫瞳は少し揺れたが、先の唇の味は土王の理性を飛ばし、自分の欲を抑えられない。

[*前へ][次へ#]

13/34ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!