FATE【BL】
第25話 14頁
暫く経ったら、さっきの老人貴族と、銀色の髪である現在一番年上の副大将と一緒に内苑に入った。二人は深くお辞儀をしてから、老人貴族は慌てて申す。
「連れてまいりました。では、新しい大将はこちらの・・・カール第一副大将になれることにしてもよろしいでしょうか?」
カールと呼ばれた者は自信に満ちた顔で、後ろに立っているフォアナックスを見下すように覗く。
その視線を感じたフォアナックスは少しムカついたが、何も言わなかった。
「ここで闘技をやりましょう。相応しいかどうかは結果で判断します。勝者には一つの願いを叶えることにしましょう。では、フォアナックス」バーナッドは手を上げ、フォアナックスが自分の傍に来るように呼び出した。
バーナッド以外の人はここで闘技をやることについて、まったく知らかった。三人は少し戸惑いたが、年上のカール副大将が先に言い出した。
「では、始めましょう」カールが巨大な剣を呼び出し、闘技が始まる合図を待っているだけである。彼は何回も戦場に出た経験があり、手腕も上等である。つまり、フォアナックスにとって、相当大変な相手。
いや・・・負けるかもしれない・・・と新しい大将が思い、鼓動が走った。
しかし、バーナッドの傍から歩き出す時に、彼は主の声が聞こえた。
「さっきの言葉を忘れずに」二人しか聞こえない、呟くような小さな声で・・・さっきのバーナッド言葉がフォアナックスの頭の中に繰り返した。
((私はそなたを信じています))
王は自ら、こんな私を信じておられる・・・それを思い出したフォアナックスは自分の剣を呼び出した。
バーナッドの「始め!」という声が内苑に響き、カールとフォアナックスはお互いに攻撃しはじめる。
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10分ほどの闘技が続き、お互いに誇りを持って、戦っていた。二人の身体は切り傷だらけになり、そして、銀色の剣がカール副大将の首元に突きつけた瞬間、勝負が決まった。
その結果によって、貴族と副大将も、フォアナックスの大将になることを認めた。これで、貴族と側近らからの反発もなくなる。
老人の貴族と副大将がその場から去った後に、バーナッドは傷だらけのフォアナックスを手当てをしようとする。
「いいえ。そんなことをなさらないでください。後で自分でやります」慌てて止める土帝国の大将。
「これは命令です。ここに大人しく横になってください」2050歳のバーナッドは、八千歳に近い、ずっと年上の部下を芝生に押し付けた。
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