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FATE【BL】
第25話 13頁
土欄殿の中の内苑はその時も今と同じような雰囲気であった。静かで鮮やかな場所。


 「王!どうかお考えなおしてください!」一人の老人貴族は、フォアナックスを選んだことに強く反対し、内苑までバーナッドと話し続ける。

 また、近くにフォアナックスが立っていることを無視し、酷く批判する。

 「私が決ったことです。彼は大将に相応しいと思います。私の目が誤ったと言いたいならば別の話です」

 いつも礼儀正しく部下でも敬語を使ったバーナッドは、自分が決めたことを確信した。 


 「いいえ。そういう意味ではございませぬ。しかし、王の名誉が傷つけられる恐れがございます。どうかお考えなおしてくださいませ」老人が説明し続け、深く頭を下げた。確かに彼が言った通りである。


 次男として生まれたバーナッド王子は、つい最近二年も経っていないのに、皇太子になり、そして、王になった。

また、王になってからすぐ、風帝国を植民地にしたことは、非常に素晴らしいことであり、彼の力や能力については誰にも文句を言う者はない。


 だが、八人の副大将の中に一番若く、経験も少ないフォアナックスを選んだことは、バーナッドは王として経験不足と裏に批判されている。


 バーナッドはため息を付き、その老人に言う。

 「では、そなたが良いと思っている副大将をこちらに連れてきてください」命令を言った後に、その老人貴族の表情が変わり、すぐお辞儀をし、その場から去った。


 ずっと後ろに立っていた新しい土帝国はそれを聞き、表情が少し変わった。その様子の変化は、バーナッドが全部目撃した。

 
 
 「フォアナックス、心配ですか?」若い土王が後ろに振り向かずに、質問した。


 「いいえ。わたくしの能力では、大将に相応しくないとずっと考えております。王がもっと相応し者を選んでも当然だと思います」

 名前を呼ばれた新しい土帝国の大将が素直に自分の気持ちを述べた。

 
 「私のもとで務めるのは嫌ですか?」新土王バーナッドが聞き返した。

 無論、フォアナックスは反論しなかった。バーナッドは微笑みながら話した。


 「ならば良いです。私はそなたを信じています。それだけ忘れないでください」バーナッドが自信に満ちた声で、最後に何を企んでいるように言った。


 フォアナックスは副大将の時代から、戦場でいつも次男であるバーナッドの軍のもとに務めていた。彼の手腕は本物であり、特につい最近大将になったワーヤス水帝国の大将とは、いつも良い勝負相手になれる。

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あきゅろす。
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