FATE【BL】
第25話 7頁
ラーカインは貴賓席から広場の中央に飛び、跪いているバーナッドの周りにいる兵たちを、力で一気に広場の周りに投げさせた。
中央に残っているのは炎王と土王だけ。
ラーカインの思わず行動に一番驚いたのは、勿論レイサック水王である。
「ラーカイン!なんで!?」レイサックは信じられない声で聞いた。
質問されたラーカインは一瞬レイサックを見てから、目を逸らした。炎王は広場の中央から、皆が聞こえるように大きい声で言う。
「この処刑は無効だ!」炎王は力強い声で土王の死刑に反し、そして、再びレイサックを見詰めた。
今回、ラーカインの顔は最初に会った時と同じ残酷であり、最近レイサックに対する優しさは、形の良い顔から消えた。
「何故だ!?バーナッドはカリナ姫を殺害したと認めた。死刑とは当然だろう!?」レイサックは炎王の行動が理解出来ずに、再び疑った。
その質問を聞き、アルタイル風王の鼓動が走った。
昨日、ラーカインの言い方から考えると、炎王は何らかの理由で自分とバーナッドの関係を知ったに違いないとアルタイルが思った。
そして、ラーカインは、親友を助ける為に、この広場でその夜の秘密を明らかすはず。
アルタイルは、そうなる前に自ら昨日か今朝に、レイサックと直接言うべきだと後悔する。だが、今風王もう何も出来ない。
いずれにせよ。アルタイルはバーナッドが彼の為に、命を捨てることを望んでいない。自分で言うか、ラーカインが言うか、結果は同じ。何も変わらない。風王は貴賓席に座り、心を準備するしか出来ない。
しかし、ラーカインの答えは誰も予想していなかった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!