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FATE【BL】
第25話†処刑の執行†
婚礼式が突然中止されたことは、楽しみしていた両帝国の市民をがっかりさせただけではなく、理由を聞いた瞬間に、哀しみと憎みの雰囲気が水帝国と風帝国に広がった。


華やかな旗や飾り物は全て下ろされ、両帝国はカリナ姫の喪に服する。


幸せなはずの婚礼式の夜は一変に悲しい夜に変わった。


月はもうすぐ空の真ん中までに動く。
地下にある封印牢は水竜殿の領域にあり、国賓室から離れ、森の中にある。


入り口周りには警備兵が何人も立っており、水竜殿には他の帝国の城と同じように、強力な力を持っている者以外、力が遣えない。


もしも、土王を脱獄しようとする者が居れば、相当強力な力を持っている者しか出来ないため、警備兵はいつもより何倍も増えた。

入り口は厳しい警備兵が備えたものの、深い地下にある封印牢には一人もいない。

それは力が遣えなくても、体力を遣う恐れがあり、出来る限り封印牢の周りには誰もいないことにする。

  窓の無い小さな封印牢に、犯人として封印牢に拘置させられたバーナッド土王は、土の力が遣えないように封印牢にいるのに、封印手足錠も掛かられている。

たった一つの光は牢の狭い廊下ににある蝋燭である。


明日に死が待っているものの、バーナッドは相変わらず冷静に冷たい牢の床に座り、明日の死を恐れる姿などもなく、紫色の瞳は閉じたまま、寝ているように見える。


いきなり何もない封印牢の廊下に、人影が現れ、土王に近付き、封印牢の鉄棒の前に止まり、少し震えた声で質問する。


「お前はこのまま死ぬつもりか?」

声の主は、昨日土王にずっと抱かれていた…アルタイル風王。


===11月18日更新===

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あきゅろす。
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