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デジモンガーディアンズ



 7月19日

 それは人類全員が敵とする猛暑の季節だ。
 超簡単に言えば夏である。

 天からは俺の皮膚を焼いてしまうんじゃないかと思ってしまうほど暑苦しい太陽の光が降り注いでいる。

 風は無い。そのせいでやたらと暑苦しい。

 けど、そんな夏が俺は嫌いじゃない。
 むしろ、好きな方だと言える。

 冬だったら寒いから外に出る気になれないし、春だと桜見とかで公園とかが空いてないから自由に遊べない。

 夏は熱いから外に出たがる奴なんて少ないだろうから、心おきなく楽しくスポーツが楽しめるから好きだ。

 それはさておき、俺は今、土賀峰小学校のグラウンドの真ん中で俺の友達が集まるのを待っている。
 放課後、教室に残っていた友達に野球やろうと声を掛けると、見事10人ぴったり集まってくれた。

 まぁ、野球をするには少なすぎるけど、草野球だしいっかと思ってそのままの人数で集まる事になった。

 グラウンドから見える時計台を見るとアナログ表示で4時過ぎくらいを表していた。

 あれから30分か みんな遅いなぁ、とか思いながら空をぼんやりと眺めていると――


「おーい、タクトー!」

 その声は校門の方から聞こえた。
 振り返るとこちらに向かって歩きながら手を振っている、赤い帽子を被った男子が居た。

 校門の影で見えづらいが、よく見ると、その後ろには集合を掛けたみんなも一緒に居る事が分かる。


「遅かったなー、何かあったのかー?」

俺がそう言うと、赤い帽子を被った男子が応える。


「いやぁ、バットとかグローブ探すのに手間取ってさ」

「そういえば、あれからお前家に帰ったか? さっきと全く変わらない格好だけど」

「いや、帰ってない。めんどくさいし、パソコン室に待たしてる奴がいるしな」

赤い帽子の男子ではない、俺たちの中で一番幼い顔をした男子、コウタが言った。

「姫咲か。良いなぁ、あんな可愛い子が幼なじみなのか」

「うるせぇ、お前には関係無いだろ」


 軽く声にドスを利かしてみた。
 ていうか、そんなはしたない事言うなよ。
 因みに姫咲とは俺の幼なじみだ。
 後で会うから詳しい事はそん時で。


「まぁ、そんな事は置いといて、一応確認取るけど、みんな居るよな」
「うん、居るよ」

「よし、んじゃ始めるか――と、その前にチーム分けだな。今、俺を合わせて11人いるから……一人余る計算になるなぁ。シュウ、どうする?」

 シュウってのはさっきから言ってる赤い帽子の男子だ。


「んー、戦力的に考えて割り振れば良いんじゃないか? こん中で一番上手いのはタクトなんだから、タクトを後回しにして、先に俺たちだけでチーム分けしようぜ」

「そうだな。そんじゃ俺は置いといて、先にみんなのチーム分けを決めるか。割り振りは俺が決めるけど良いよな?」


 みんなが頷く。
 俺の言葉に異論は無いようだ。

 因みに、タクトってのは俺。フルネームは『小鳥遊 磔斗(たかなし たくと)』土賀峰小学校の六年生だ。
 自己紹介遅すぎたな。

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