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聖アンダリア学園
8
「…またか。」



毎日ここ、生徒会室に来るようになった風紀委員長。
頻繁に来る必要があるほど風紀員の書類はないのだけれど。
来るたびに騒動など(原因は主に編入生)の報告をしてくれる。
べつに、俺は生徒会じゃないからわざわざ報告しなくてもいいのに。
まあ、そ内容はほとんどが愚痴まじりだから、つまりは憂さ晴らしにきているのだと思う。



「なんだよ。来ちゃいけねーのか?あ゛?」



もし風紀委員長がだめなら、俺は部外者だから尚更だめだろう。
風紀委員長はカエルのこともあり、1対1だと少し気まずかったりするが、彼は気にしていないのだろうか?
…とりあえず俺はいつも通りブラックコーヒーを出した。



「どうぞ。え、と、今日も報告ありがとうございます。
…あの、それは風紀委員室ですればいいのでは?」



「ばかか?ここでやって出せば無駄に歩かなくて済むだろうが。」



前までは”こんなとこ1秒だっていたくない”といって仕事のやり取りをしたらすぐに帰って行ってた気がするが。



「…いつもどおり、取りに行ってあげるけど。」



「あ?んなことすりゃお前と2度顔合わすことになるじゃねーか。
ぐだぐだ言ってないで手を動かせよ、クズ。」



今顔合わせているのはいいのか?
時間より回数なのか?
…良くわからない人だ。



結局風紀委員長は帰らず。俺の仕事が終わるまで一緒にいた。
風紀委員長の仕事は早くに終わっていたようだが、俺の仕事を手伝うわけでもなくただじっとこちらを見ていた。
そのことを尋ねるとおそらく2・3言の嫌味が付いてきそうだったから放っておいたが、本当に気まずいことこの上なかった。



最近の風紀委員長の態度には驚くことが多い。
まず口の悪さは変わっていないが、俺を邪険にはしなくなったと思う。
少なくとも前ほどではない。
前は俺のことを生理的に受け付けていないようだったし、もう一度言うがカエルの件があるというのに。
もしかすると雅がいたからわざと…いや、あれは間違いなく本気だったな。
雅が離れ、急に風紀委員長が近くなったからだろうか、俺は風紀委員長が気になってしまう。
一体どうしたというのだろうか。

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