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BSR倉庫
バレンタイン【了】
その頃。
家庭科室では、ちゃっかりエプロンをした政宗が両手に包丁を六爪持ちしていた(※真似してはいけない)目にも留まらぬ速さでチョコの板を削り、流れるような手捌きで湯煎していく。
オーブンの中では、ケーキ生地が順調に膨らんでいた。

「HA、当然だ…!」

実に楽しげに、政宗はクッキング…

「cooking、だ」

…cooking、していたのであった!


と、そこに思わぬ来客がやって来た。

「たのもーっ…て、あれ?筆頭も家庭科室使ってたんですかわいいなそのエプロン猫柄なんて流石筆頭よく分かってらっしゃる!」

「それが自然体か、咲耶…」

「通常営業です!」

キラキラしたオーラを放ちながら、咲耶もエプロンを付けだした。後ろで三成が「何をする」と首を傾げている。

「貴様がそこの…誰だ?」

「俺の名前は伊達政宗だ、」

「噛みました?」

ワクワクしながら尋ねる咲耶をスルーして、三成が「伊達政宗…」と呟いて確認した。ああ残念、この流れでパロディする予定だったのに、と咲耶は思ったとか思ってなかったとか。

「…貴様に、咲耶がチョコを渡すと言うので斬滅しに来た」

「結局呼ばねえのかよ、……chocolate?」

斬滅斬滅斬滅…と呟く三成をスルーして、政宗が咲耶に向き直る。貰って嬉しいバレンタイン。しかし咲耶は「惜しいですね」と鞄から板チョコと苺、マシュマロ、キウイ…

「チョコフォンデュなんてどうかな、と思いましてー!」

「…ま、それでもいいぜ」
(本当は個別に欲しかったが、まぁ良しとしよう)


「はい!それで、みんなを呼んでぱーりぃにしようと思ったんですけど…、」

咲耶の言葉に、三成が俯いた。
「…同士討ち、だったのか…」
「うん?何か言ったかな三成?」

なんでもない、と三成は首を振った。そうだ関係ない。


◇◇◇◇◇

一部では殺伐とした、

一部ではほのぼのとした、


そんなバレンタインの日の事だった。





幸村:納得が行かぬ…っ!
佐助:俺様たちの役目こんだけとか…

元就:……
元親:俺はちゃんと合流出来たぜェ

家康:皆が平等にチョコを貰える…そんな世に…
慶次:バレンタイン…かぁ…(遠い目)

小十郎:政宗様のチョコケーキは絶品でございました。



\happy valentine/



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あきゅろす。
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