BSR倉庫 Xmas(慶次) ※パラレル設定 ※慶次オンリー(笑) ―――――――――― 【風来坊とXmas】 我が家の暖房器具が、 全てぶっ壊れました(泣) しかも、イブから体調を崩していた咲耶。リアルに死にそう。 「寒いな」 咲耶の横では慶次が震えて、毛布をかぶっている。 『…あ、慶次雪だよ!』 「雪!どうりで寒い訳だ…なぁアンタも寒いだろ?」 素直に頷くと、慶次がガバッと背後から抱きしめてきた。 頭の上に顎を乗せられて、身動きが出来ないがーー確かに暖かい。 一緒の毛布にくるまってると、慶次が窓から雪を眺めて「雪…かぁ」と、多分謙信さまとか思い出して居るんだろう。 帰りたいよね?と、私は口に出していたらしいーー慶次は少し笑って答えてくれた。 「うん?そうだなぁ… まつ姉ちゃんの飯が食えないのは残念だけど…此処なら、一緒に戦わないで暮らせるからさ。アンタが居ればいいや。」 そう言って、ぎゅうと更に密着する。 「あったかいよ。 熱があるからってのもあるけど…、アンタと居るとこう、心まであったかくなる。」 幸せそうに笑う、慶次の吐く息は室内だと言うのに白くなる。 ーーせっかくの、クリスマスなのになぁ。 私のため息に、慶次が「どうしたの」と聞くのでクリスマスだと、伝えた。 「へ、あ、クリスマス? 忘れてたよ…」 本当に驚く慶次に、思わず笑ってしまう。そんなに困らなくていいのに。 「はぁ、あんまり毎日が楽しくて忘れてたよ…!ちょっと行って、何か買って来ようか?」 出掛ける準備のためか離れて行ってしまう慶次に、少しだけ寂しさを感じた。 そんな私の様子に、慶次は驚いたように目を見開いてから、 くしゃっ、と笑った。 「なんだいなんだい。 そんな顔して……ちょっと、さ、嬉しいな」 慶次は、優しい目をして私の頭を撫でた。大きな手だ。 「大丈夫、すぐに帰るから。 アンタはちゃんと寝る!女の子なんだから体は大事にしなきゃ」 撫でていた手が離れて。 慶次は玄関へと向かって行ってしまった。 ***** ベッドで寝ていた私は、圧迫感に眼が覚めた。 上半身を起こすと、いつ帰って来たのか慶次がベッドにもたれかかるように寝ていた。 看病してくれたらしい跡に、小さく笑ってしまい。 手触りのいい慶次の髪を撫でてみた。 さらり、と艶のある綺麗な髪に思わず「きれい」と呟く。 「…アンタの黒髪のが、ずっとずっと綺麗だよ」 慶次の頭を撫でていたハズの手を、がしりと掴んで。 慶次は微笑んだ。 そして、掴んだ手をおもむろに…自分の頬に当てた。 「熱、少し下がったよ」 良かった、と安心したように笑う慶次はしかし。 「アンタさ、寝言でなんて言ってたか知ってる?」 と、なにやら悪巧みするような口調になって。形の良い鼻先を私の耳に近づける。 慶次は、ベッドに両手をついてまるで、覆い被さるような状態になっていた。 「アンタさ、俺の名前ーー何度も呼んでたんだよ。 それに、好きだってさ」 その言葉に、頬が火照る。 バレてしまった、の? 「……あ、れ?」 私が慌てていると、慶次はキョトンとしてーー急に真っ赤になった。 「う、わ…ごめん、『好き』って言ってたってのは、冗談だったんだけどさ!だから、否定されると思ったんだけど…っうわ、どうしよう!すっごく、嬉しいよ……!」 騙された、悔しさがあったハズが。慶次の照れるような顔に何も言えなくなる。 「…あ、のさ!せっかく起きたんだから、ケーキ、食べよう!うん!」 しどろもどろする慶次の提案に、激しく頷いた。 「たっだいま☆ って、何うちの妹に手を出してんだ空気ぃいぃぃ!」 外帰りの兄に。 慶次が寒空の下、締め出しをくらうまで、あと10分……。 ―――――――――― わざと、アンタ呼びにさせました(笑) 作者の慶次愛が伝わったら勝ち(笑) [*前へ][次へ#] [戻る] |