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BSR倉庫
Xmas(関ヶ原)
※パラレル設定


――――――――――
【関ヶ原とXmas】


屋外スケート場。家族連れやカップルに紛れて……『殺気』が飛び交っている。

「おい三成止さないか」

「黙れ家康…」


私が彼らをスケート場に読んだのは、戦国時代にスケートなんざなかったろうと思ったからなのだが。
彼らは普通に滑っていた。
テレビで見るような、美しいフォームで。


呆気に取られていると、黄色のパーカーを着た家康が「どうした?」と笑いかけてきた。

答える前に、先程まで家康を睨んだいた三成が眼前に来たーー相変わらず不機嫌そうだが。

「帰るぞ」

「三成!何を言うか!…彼女は、儂らのためにだな」


しかし、三成は乱暴に私の腕を引っ張りーースケートリンクから出ようとする。

「必要ない」


グイッと、引かれて。

「ーーっ三成手を離せ!」

家康が、緊迫した声を上げて。バランスを崩した私を抱えた。
三成は、何故か傷ついたような顔で二人を見てーー顔を背けた。


「……おい、咲耶」

苛立ったような口調で三成が私に歩み寄って来て、

「何故貴様の着物のすそは短……っなんでもない。…手を、貸せ。」


家康の腕から、もぎ取るようにして三成は私を抱きしめると安心したような、小さな微笑みを浮かべた。

「三成のヤツ、先ほどからお前に視線をやる男を睨んでおったのだ」

「っ家康!」

かっ、と赤くなる三成はーー否定はせずに、呟く。

「……心配事を増やすな、ただでさえお前は危なっかしい…」

そうかな、と首を傾げると。三成はため息をつき、家康はからからと笑った。

「なんだ、余裕がないな三成!」

「貴様には、分かるまい!」



「いいや、儂にもよくわかる。故に…いつまでも三成に取られているのはシャクだな」

ニヤリと笑った家康に、今度は腕を取られてーー氷の上を滑り出した。


「不安なら、儂に掴まれ!支えてやるぞー」

「馬鹿か貴様はぁあぁああっ!」三成が後を追っかけて来る。

うーん、このバサラクオリティ。プライスレス。


*****
スケートリンクを後にして。
私達は遊園地へやってきた。


人が多いため、度々人の波に飲まれそうになるがーー
「手を貸せ、はぐれるぞ」
「はは、幼子のようだなぁ」


二人が、手を取ってくれた。

*****
「少し待っていろ」

三成が、パッと手を離してーー人の波に消えて行った。

「なんだ、三成のヤツ……ん?なぁ、あの…馬が回っているのはなんだ?」

家康が興奮したように、きらきらと瞳を輝かせる。
メリーゴーランドの事らしい。
子供も並んで居るなかにーー家康は私を引っ張っていった。

「おぉ、光るのか…」


『のれないよー』
『高いよー』


子供が、馬に乗れずに悪戦苦闘する様を見て。家康は「どうれ、乗せてやろう」と子供達を馬に乗せてやった。

優しい上に、顔もいい家康は子供にたかられていた。


『お兄ちゃん、一緒に乗ろう!』
「はは、すまんな」


家康は、グイッと私を引き寄せて「儂には妻が居るからな…浮気なんぞしたら、恐ろしくてかなわん」
と、いたずらっぽく笑った。


メリーゴーランドが、一瞬動きを止めた気がした。


*****

「……」
三成がふてくされたように、メリーゴーランドの出口に居た。
「そう拗ねるな、三成…ほら、儂はそこで童と遊んでくるからな」と、私と三成を置いて消えてしまった。


「……来い」

グイッと、腕を引っ張って行く
三成は「痛いか」と声をかけるので。
首を振って否定すると「そうか」と目を細めた。


「…これを」

三成は白い息をつくと、クリスマスのラッピングをされた袋をくれた。

「…あるばいとで、手に入れた品だ…、ついたぞ」


三成の声に、顔を上げると。
色を変えていく観覧車があった。


「ふん、家康め……長い間密室になれるという、観覧車を忘れていたとは…愚かな」

と、皮肉をこぼして。
三成は、手を差し出してーー「いくぞ」と私の手を取り、観覧車へーー。




「ぐ、きみは!な、何をする!」

「ハァハァ!関ヶ原ktkr!密室ハァハァ!」


家康の悲鳴が聞こえて。


三成と家康が、観覧車に押し込まれた。

「な、にぃいい」



「…ふぅっ☆萌えシチュエーション完成っ☆咲耶、後車に二人で乗ろう!」


「……はぁ」


30分って、長いなぁ……。


――――――――――

三っちゃんは、咲耶に何をあげたんだ…?


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