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貧乏学生の本田があらわれた!
フェリは花を飛ばした

「あっ、菊だ〜!チャオ〜」

「ちゃ、ちゃお〜…」

朝の大学は何と無くみなさん急ぎ足ですが、友人のフェリシアーノはまったりと挨拶をしてやけに菊にペッタリとくっついて来ました。
お風呂入ってて良かったと、菊は心底思います。

「あれ、菊良い匂いするー」
「朝シャンしましたからね」

髪にはよくないらしいですが、日本人的には辞められません。
フェリシアーノはペタペタと菊を確かめるように何やら手当てしています。

「良かった〜、なんか今日は元気そうだね」
「えっ……、その、ご心配お掛けしましたか?」

菊の問いに、フェリシアーノは意味有りげににっこりと笑って。また、菊にペッタリとくっつきました。

「元気なら何よりだよー!今度またパスタ食べに行こうよ〜」
「ええ、是非とも」

菊も、少し嬉しくなって微笑みます。


仲睦まじい二人の周りには花が飛ぶようでした。
すれ違う生徒たちを癒しながら、二人は教室へと向かいます。






さて、午後の講義まで昼休みです。昼食が買えない訳ではありませんが、昨日の今日で何と無く胃にはいれたくないです。
フェリシアーノとルートは学内のコンビニに出掛けた為、菊は席の確保でぼうっと外を眺めて居ました。

「やぁ!菊じゃないかー!」

「うっ」


どしん、と重量感あるタックルを喰らい菊はふらつきましたがなんとか堪えます。アルフレッドが、取り巻きを引き連れて現れました。

「これから昼食なんだけど、一緒にどうだい?」

「え、遠慮しておきます…」

明らかに、この若者集団に自分は入り込めないと菊は首を振ります。取り巻きの中には女子も居て、見定めるような目で菊を見ています。
嗚呼、消えたいと菊は切実に思いました。

「…先約があるのです、すみません」

「そうか、分かったんだぞ。今日は譲るよ…
じゃあ菊、明日は俺とデートしよう!」

「はい、明日な…ら、えっ?」
「DDDD!決まりだね!」

話の流れに着いていけない菊は焦りましたが、取り巻きの女性も同じく焦って居ました。

「アルフレッド!?明日は私と…」

「わー!楽しみだなぁ菊!近くに、安い焼肉屋があるからそこに行きたいんだぞ!」

聞いてませんね。


取り巻きの女性は、わなわなと悔しそうに菊を睨みます。とばっちりも良いところですね。

そんな雰囲気の中、フェリシアーノ達が帰って来ました。

「菊〜お待たせー!…って、うわわわジョーンズだぁ…」

スキップで近づいていたフェリシアーノが、ぴゃっ、とルートの背に隠れます。
アルフレッドは二人を全く眼中に入れずに、菊を見つめて心底嬉しそうに笑いました。

「約束なんだぞ!」

「…はい」

もう、逃げれないと菊は目を逸らしながら生返事をします。



ちら、と取り巻きの方を見ると明らかに不穏な空気が流れており。菊はまた胃が軋むのを感じました。






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あきゅろす。
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