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オトンとオカンと
秘密会議

鵺子を寝室に置いて、佐助と小十郎はリビングで話し始めた。

「一体どうなってんの…!」


青ざめながら、頭を抱え込んだ佐助は嫌な汗をかいている。
対照的に小十郎は冷静に記憶を探り、そして答えを出した。


「…政宗様が、姿を消された事は有るにはあるが…この世界の事は何も仰ってはいない」

「うぅん、うちの旦那もまぁ居なくなる事はあったけど、当日中に見つかってるしなぁ…もちろん未来がどうこうなんて話は聞いた事ないし」


つまり、


「無事に帰れる、という事か?」

「記憶も消える、って事?」



その結論に安堵しながらも。少しばかり残念に思っている。こんな世界になる事を、彼らに教えてやれたら良かったのに、

「…まぁ、せめてこっちに居る間でも世話できたらいいよな!」


「…確かにな」


と、話がまとまって。
なんとなく時計を見た二人はさっと青ざめる。

「「…終電逃した…」」


***

「まぁ、泊まるのは問題ない」

私は慣れっこだからいいのだけど、問題はベッドが足りないと言うか。元々ひとつしかないベッドには私と両サイドに子供たちがぎゅうぎゅうに川の字しているのだが。

「まさか君らが一緒に寝たがるとはね」

「だって、小さい時の旦……なんでもない。ほらさー毎日泊まれる訳じゃないからさー」

「あぁ…そういう訳だ鵺子…」


…んん?


「ちょっと待って。明日になったらこの子たちを警察に連れて行く」

「「え」」


「当たり前、今からでも遅いくらい。佐助は知り合いだって言ったけど、親だって初対面の他人と過ごしてる事に対してなんとも思わない訳ない」

真っ当な意見である。
しかし、佐助たちは知っている。彼らの親は戦国時代に居るわけでそれを説明するには自分たちが転生したなんて、空想みたいな話をしなくてはいけない訳で。


二人はまた一瞬、顔を見合わせた。


「…鵺子、一生のお願い使うから!ある意味二生のお願いだけどっ!」

「だが断る」

「俺からも頼む、鵺子…」


「「しばらく預かってくれないか!」」


やっぱりな。
彼らの家は実家だし、子供なんて連れて返ったらいよいよ警察沙汰だろう。
しかし、私だって譲れないものは譲れないのだ。


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