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オトンとオカンと
れっつらごー




朝、チェックアウトを済ませた私たちは京都の街に乗り出したのだった。



「ここが、京の都…か」

何故か、惚けたように梵天丸が呟いて。小十郎がその腕を引いて静かに首を振る。

「そんな顔するなよ、小十郎」

そう言って、彼は不敵に笑ったように見えた。




何やら、彼らにとって京都とは特別な思い入れがあるようだ。


「さぁさぁ!京都は俺に任せなよ?ばっちり案内するからさ!」

「…慶次さんも、元気ですね」

水を得た魚のように、慶次が声を張る。彼は本当に嬉しそうな笑顔で「そりゃあ、あんたと居るからさ!」なんていう台詞を吐いた。


すると佐助が欠伸をしながら、

「前田の風来坊はここがホームタウンだからさ」と教えてくれた。


「まぁ俺の知ってる京の町にゃ、こんな駅は無かったしホテルも無かったけどね。…でも、いい所だよ、うん!」


少しだけ。
寂しそうに視線をさ迷わせた彼が、なんとなくレアだったので。



「…頼りにしてますから」

と、頭を下げると。
少し驚いたように目を見開いて、それからはにかむように笑ってくれた。




すると、両サイドから服が引っ張られて。私はつんのめるように立ち止まった。

「儂らも居るからな、鵺子!」

「……離れるな」



竹千代と佐吉が、少し不機嫌そうにそう主張するので、なんとなく嬉しい気持ちになった。

彼らの手を握ると、迷わずに握り返してくれる。



「…はい、一緒に行きましょうね」





全員で、此処に来る事は最後になるとも知らずに。


私は笑った。




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あきゅろす。
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