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オトンとオカンと
纏まらないようだ



「……っとにかく、今の状況を纏めましょう!梵天丸、弁丸、竹千代で三行!」

「Ok、小十郎が!」

「不審者殿とっ!」

「よし、儂だな!ふじ「不純異性交際禁止ぃいぃぃっ!」さ、佐吉!お前そんな声出せたのか…!儂は嬉しいぞ!」



準備をしていた竹千代の横から佐吉が叫んだが、横撮りされて怒るどころか何故だか嬉しそうに笑う竹千代。

「佐吉…?」

「…次から私も参加する」


「……すいません、了解しました。」



頷くと、少し満足げに佐吉は鼻を鳴らして、絡んでくる竹千代をガン無視していた。

こういうノリ外苦手そうなのに、案外参加したいと思ってくれていたのだ。なんだか嬉しい。

「成長しましたね…」





「あー、もしもし?話進めようなー?」

「あぁ…そうだな……、小十郎!これは一体どういう事だ、説明し……なくていい…もう、何も聞きたくない…!」


「誤解だ、聞け」


ため息混じりに肩をすくめた小十郎の横で、慶次が糸の切れた人形のように座り込んだ。鵺子が気遣うように覗き込んで、ぱちりと視線が混じりあった。


「…っ、あんた…」

「はい、お久しぶりです…えっと、前田さん?」

「慶次で良いよ!…いや、そんな事言っても迷惑だよな…。付き合ってる人、あんた居るんだろ?」



小十郎の事を未だに鵺子の彼氏で、自分をフりに来たと思っている慶次はまるで世界の終末を迎えるような顔で無理矢理笑みを浮かべた。


が、当然覚えのない鵺子は不可解そうに眉をひそめた。

「…慶次さん?あなたには小十郎という彼氏…いや、嫁が居るじゃな

「話を聞け、と言った」

うわわわわ、止めろ小十郎!前が見えない!」

荒々しいけれど、ふわっとした動作で私の視界を小十郎の手が塞いだ。暗い。

これはあれだ、私がパニックになっている時によく小十郎がやるあれだ。なんだ。



鵺子の視界を塞いだまま、小十郎は慶次を確認して目を見開き―――しばし沈黙してからいつものように眉間に皺を寄せた。

「悪いな、こいつには恋人は要らねえ。てめぇが何をこいつに期待してんのかは知らねぇが……そういう事だ、諦めな」


「…おいおい右眼の旦那!」


佐助が空気を読んでツッコミにやって来たが、慶次はこの状況に察しがついたのか、不敵な笑みを浮かべた。


「へぇ、そりゃアンタらが居るからかい?」

「前田の風来坊も止めなさいって〜、ここ商店街だってば!忘れてない?」




「母上には俺が居るからな!」

「おい弁丸、俺たちだろ」

「うむ、これ以上鵺子が困るところは見たくないな!」


「……斬滅してやる」





チビ達がそう各々呟くと、驚いたように慶次がチビ達を見つめて鵺子と見比べる。


「…こ、子持ち…?」

「よし、みんな落ち着こう」





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