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ある夜の秘恋の噺


「我々は、そこの(飯ばっか食ってる)郭哉様を(今もほら僕らに出された茶菓子食ってるぅううっ!)…お迎えに上がったのです」


「…千晶、本音も建て前も…まる聞こえ…」


眼鏡の人は、爽やかな笑顔のままで――ツッコミを入れた人を振り返った。

「あのね辰壬くん?前から言おうと思ってたんだけど……いつまで郭哉様にくっ付いてんの?(刺すぞ?)」


瞬時に殺気が飛んでくるが、黒い髪の人―――辰壬(たづみ)さん?ずっと俺にくっ付いたまま、眼鏡の――千晶(ちあき)さんを睨んだ。

さらに、その長い腕を俺の腹に巻き付けて。ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。


「……うぷっ」


「辰壬くん、今すぐ止めてー。開始6ページで総受けの嘔吐シーンはちょっとハードだからね?!特にまだ何も始まってないからね!」


千晶さんが、辰壬さんを引き剥がそうと近づいて来るが、圧迫感は強くなるばかりだ。
ちなみに竜友は、成り行きを見守っている。…ヘタレ竜友。

そんな中、俺の肩口に頭を押し付けていた辰壬さんがボソボソ呟いている。

「…と……えた…に」


「……なに?」



「…やっと会えた…」


「……いや、俺たち初対面…」



「そうも言えないんですよ、郭哉様?」

剥がすのを諦めたのか、座布団に座り直した千晶さんが、嘲笑うようにそう言った。

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あきゅろす。
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