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ある夜の秘恋の噺



結局。


郭哉はしっかりデザートのプリンまで食べきってから、この状況に気が付いたように。怪訝な顔をした。


「……不法侵入?」


「郭哉、自分で連れ入れておいてそれはないな」


竜友が皿洗いをしながら呆れたようにツッコミを入れる。



侵入者呼ばわりされた彼らは、特に気にした様子もなくくつろいでいて、

(なんだこの状況は…)


台所から、その様子を見ていた竜友は何やら頭が痛くなるのを感じた。



***


「…粗茶ですが」



「いやぁ、悪いですねー竜友さんにお茶淹れてもらうなんて」

「…ん、熱い…」



「竜友、茶菓子ないのー」



(カオスすぎる…)

この部屋で唯一の常識人は間違いなく竜友である。
故に、馴染み始めた侵入者達と息子のように育ててきた郭哉の、和みムードについて行けなかった。


「…それで、アンタ達だれ」


茶菓子を貪りながら、郭哉はやっと彼らを見た。


眼鏡の青年が、安堵のため息をもらして微笑んだ。

「やっとですね、かぐや様」



(やっと話が進む…)


気苦労は絶えない竜友である。





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