朔の夜に咲く 無茶苦茶しよう。 でも悲しいかな、私は彼について行く事は出来ない。 いいや、したくない。 「と、いう訳でお断りします!断固拒否!ダメ、ゼッタイ………いや、本当にすいません」 いつものテンションで行こうとしたら、佐助は本気で怖い顔で私を見た。 あばばば。本気で殺される。 「…一応、理由くらいは聞いて置いてやるよ」 それって、遺書的な意味でですよね。 下手な事言ったらヤバい、死亡フラグ立つ!乱立する!やだよねそんな夢小説?!ごめんなさいぃぃ! 「わ、わた…私は…逃げたくないんです…!」 「逃げたくない、ね……戦略にも成らないアンタが残ろうが関係ないし、むしろ邪魔だとは考えなかったのか?」 バッサリ。 いや、めげないよ! 「邪魔なのは分かってます、けれど…」 ふと、頭に三成の姿が浮かんで消えた。 助けれるかも知れない人が居る。 私には兄神から貰った、いわゆる『特殊能力』が付加しているのだから。どうにか出来るはずじゃないか…! と、いうのは建て前。 「…ドリームの主人公が此処で引き下げる訳無いじゃないか…!こっからが本番なんだよ、佐助ェ…!」 「…はぁ、やっぱり姫さんは理解出来ないよ…」 先ほどより殺気の薄れた佐助が、苦笑いを浮かべている。 「…ぶっちゃけるとね、佐助…私は強いから大丈夫だよ、」 「はぁ?姫さんが強い?」 「うん、私は強いの」 神様の力を借りれば、多分死なない。ドリーム補正だなんだと言われても、それで私は私のしたいようにする。 …そうだよ、 「だから、佐助に守られる事は無いよ。そして敵になるつもりもない」 「無茶言うよ、」 「何言ってるの、佐助。無茶苦茶するのが『夢』でしょうにー」 私の言葉に、佐助が笑い出した。ちらっと横顔を確認すると、苦しげな表情は無くなっていた。 自分で言っておいてアレだけど。もう悩むのは辞めた。 私は、 三成を助ける。 [*前へ][次へ#] [戻る] |