道を違えた貴女から1 運命を変えたい。それは本心だ。 だけど、あえて変えたくない運命ってのもある。 贅沢だって?これまで色々我慢してきたんだ、ちょっと欲張って何が悪い。 この旅を通じて、カイルは成長する。 リアラは本当の英雄を見つける。 ロニは過去を清算する。 ジューダスは幸せを見つけるだろうし、ナナリーは弟の死を真に乗り越える。 ハロルドは……まあ、アイツは置いとこう。 下手に関与したくないんだ。今度は、怖いからとかそんなんじゃなくって、さ。 いつか皆に全てを伝えなくちゃならないその時までは、このまま。 あるべき道を歩いていく、みんなの後をついていきたい。 「よし、わかった!任せてよ、おじさん。オレ達が必ず持って帰ってくるから!」 レイスが屋敷に入った時にはすでに話が決まっていたようで、Uターンする形で出て行くこととなった。 「何がどういう訳で任せてくれ、なんだ?」 「あ、あのねレイス……」 「さっきの怪しげな商人に、オベロン社の廃坑にあるという宝を取って来いと頼まれたんだ」 ジューダスの簡潔な説明に納得とばかりに肩を竦めるレイス。 「なるほど。それでOKしちゃったと」 「もう、ジューダス!怪しいなんて失礼だよ。さっきだっていきなり恐がらせるしさ……」 「図星をさされて慌てただけだろう。こっちに非はない」 そう言いながらも、さっさと街の外へと歩き出す。 「あれ、以外と乗り気?」 そうではないと分かってはいても、ついついからかいたくなってしまう。 「こんなくだらない事はさっさと終わらせたいだけだ……行くぞ」 [back][next] [戻る] |