4 『シェイド……』 「シャル……なんかさ、もうかなりキツいかも」 口を開けば弱音しか出てこない。でも、誰かに話さずにはいられなかった。 『皆に……坊ちゃんにだけでも話したらどうですか?今のままじゃシェイド、壊れちゃいますよ……!』 「話して、受け入れてもらえなかったら?気味が悪いと嫌悪の目で見られたら?そっちの方が、耐えられない」 だから俺は、千年前だってハロルドとカーレル、シャルティエ以外には話せなかった。 拒絶が怖かったから。 『シェイドは、坊ちゃんの事信じてないんですか!?』 「信じてるに決まってる。だから……余計に今の関係を崩したくない」 特にリオンには深入り出来ない。 運命の日は、そう遠くない未来に、必ずやってくるのだから。 『………』 「ごめんな。心配してくれてるのに」 『いえ、僕も……シェイドの気持ちを考えずに………』 昔からの付き合いだからか、気まずい雰囲気をなくす方法を、お互いが心得てる。 そのまま、静かに時間だけが過ぎていった。 そうして俺は戻ってきたリオン達から、グレバムが運搬船を襲ってレンズを奪い、それでモンスター軍団を作ろうとしていることを聞く。 物語は、終焉の時へと止まることなく綴られてゆく。 [back][next] [戻る] |