[携帯モード] [URL送信]

inviso firmamento(嫌われた大空)
7
 しばらくして、話も一段落着いた時。
黒子がリボーンに声をかけた。

「あの、リボーン――さん」
「何だ?」
「気になったんですが、貴方と綱吉君の関係って一体?」

問いかけられた彼は当たり前のように口を開く。

「俺はツナを立派な10代目にする為に来た、フリーのヒットマンだぞ」
「そう、なんですか……」
「まあ、このままじゃツナの持つリングを相手方に渡して、ボスの地位を譲らないとツナは助からないかもしれないがな」

――それは、ダメだ。

何故そう思うのかはわからないし、正直ツナにマフィアが似合うとも、できるとも思えない。
しかし彼でなければならない気がする。
黒子はそう思った。

「そんなの、絶対ダメです」
「ダメなのは当たり前なのだよ」
「そうっス! そんな奴らに渡すくらいなら、壊した方がマシなくらいっス!」

黄瀬が語気を強めると、紫原が苦笑した。

「いや黄瀬ちん、例えでも壊しちゃダメでしょ」
「つか、渡さねぇし渡させねぇよ」
「でも、そう考えると助かる方法は、俺達が力を付ける以外には無いんだぞ?」

青峰の後に赤司がそう言い、皆して黙ってしまった直後。

「力を付けたいなら、家庭教師の宛てはあるぞ」
「ホントなのか!?」

緑間が尋ねるとリボーンは頷き、ツナを見た。

「ツナ、お前はこいつらに助けてほしいか? ほしくないか? それとも――協力してほしいか?」
「――酷いよリボーン。 選択肢があるようでない」

呟いた後、ツナは黒子達に頭を下げて口を開く。

「……お願いします、俺に協力してください。 彼等を説得してみたい、ダメだったら潔く諦める。 だから」
「綱吉君、僕らは元より力になりたいと伝えてるはずですけど?」

彼の悲痛な声を聞いていられず、黒子は思わず遮った。
ツナはゆっくりと顔をあげ、口を開く。

「……ありがとう」

柔らかい、笑顔で。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!