inviso firmamento(嫌われた大空)
6
黄瀬の問いに、ツナは首を縦にも横にも振らなかった。
代わりなのか、彼は口を開く。
「まだ、会ったばっかりで、よく分からないよ……」
「――そう、っスよ」
「でも」
ツナは黄瀬の言葉を遮り、ゆっくりと立ち上がった。
キセキの世代全員が視界に入る位置に移動すると再び口を開く。
「信じられる人達だとは思ってる」
「ツナ、それは」
「――多分、超直感」
リボーンの問いにそう返し、彼は少し俯いた。
黒子はそんなツナに近づいてその手を取る。
「綱吉君――僕は、君の力になりたい、いや……なります」
「っ! そんな、ダメだよ! 関わったら、一生逃げられないんだよ!?」
「怖いです、本音を言えばやりたくないです」
それを聞いた彼は目を見開き、『なら、何で』と問いかける。
黒子が返した言葉は
「それでも、恐怖より君を助けたい気持ちの方が強い」
覚悟だった。
「皆はどうしますか? このまま、綱吉君を見捨てたりはしないですよね?」
黒子は仲間達に向き直るとそう問う。
「黒ちん、当たり前の事をわざわざ聞かないでよ」
「たりめぇだ、ただ、戦うなら力がいるけどな」
「守るため、そして生きるための力っスね」
「当たり前なのだよ」
次々と答える相手に、ツナは驚き、黒子は内心、自分だけではなかった、と胸を撫で下ろす。
最後に口を開いた赤司は、ツナを見てこう言った。
「沢田。 俺達が、必ず君を守る」
と。
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