inviso firmamento(嫌われた大空) 9 「彼等も、誠凛に入っていたんです」 「いや、あの――彼等、って?」 突然『彼等』と言い出した黒子に、ツナは首を捻った。 相手を見ると彼は付け足す。 「――以前守護者だった、あの3人ですよ」 「っ!?」 それを聞くと火神以外の全員が息を飲んだ。 次に口を開いたのは、入学式の日に詳細を聞いたさつきである。 「あいつらが、そっちにいるの?」 「はい。 別に何かしでかしたわけじゃありませんが……違いと言えば、あの頃に比べて少し暗いだけですね」 「おい、話が見えねぇんだが」 火神がそう言うと、直前まで話していた黒子が彼をジトジトとした目で見た。 「火神君、わからないなら聞かなくて良いんですよ?」 「何でだよ。 つうか誰の事だ? その『3人』ってよ」 「君が聞いても『何でその3人が?』ってなるだけですよ」 言い合う2人に聞こえない大きさの声で、ツナは思わず呟いた。 「獄寺君達が、誠凜に?」 彼の脳裏に嫌な想像が浮かんだ。 今度こそ殺されるのではないかと。 悪夢が再開されるのではないか、と。 [*前へ][次へ#] [戻る] |