inviso firmamento(嫌われた大空)
10
「あーあ、久しぶりにサボっちゃった……しかも今回は、初めて朝からか」
ツナはそんな事を言いながら、公園でぶらんこを漕いでいた。
しばらくして、帰ろうとした彼の前に並盛中の不良達が立ちはだかる。
「沢田綱吉だな」
「――だったら、何なんですか?」
「おいおい、獄寺や山本がいないのに強がってるぜこいつ!」
「あ、そういや今こいつ、転校生の夏山をいじめてんだっけ?」
その声を聞き、通り過ぎようとしていたツナは固まる。
まるで周知の事実かのように言われたからだ。
直後、いつの間にか目の前に移動していた、初めに話しかけてきた少年が突然彼を殴り飛ばした。
「なら、制裁を加えとくか――獄寺達からの命令だしな」
彼がリーダーなのだろう。
それを聞いた周りの少年達は、嬉々として何かを取り出した。
1人は、プラスチックのパイプ。
1人は、ボクシング部なのだろうか、グローブ。
それ以外にも、金属バット等々。
嫌な予感がしたツナは、思わず武器を出そうとしてふと気づく。
相手は一般人だ。
どうしようかと思考を巡らす彼は、気づいていなかった。
プラスチックのパイプが、振り上げられている事に。
突然体が右に吹っ飛び、ツナはようやく左腕の痛みに気がついた。
左を見れば砂埃と、勢いをつけて振り下ろされたであろうパイプ。
直後、彼の腹部に入る誰かの拳。
鳩尾に当たったらしく、強制的に息を吐かされる。
「かは……っ!」
地面に落ちると同時に、両手を別々の相手に踏み付けられた。
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