[携帯モード] [URL送信]

Subsequent Descent
5
 しばらくして戻ってきたタルボの手には、薄く銀色がかった石があった。
慶喜が一体何かと尋ねると彼はそれを突き出して口を開く。

「お前さんのリングに決まっとるじゃろうが。 さっさと持たんか」

そう言われた慶喜は慌ててそれを受け取った。
彼の様子を確認したタルボは、にっこりする。

「お主、慶喜と言ったか?」
「……は、ハイ」
「あの少年によく似ておる。 生き写しのようじゃ」
「あの少年?」
「10代目じゃよ。 お主も彼のように、覚悟した目をしておる」

そう言われ、慶喜は驚いた。

相手は自分が生まれ変わりだと知らないはずなのに、と。

勘だろうと思う事にして、彼は石を持つ手に力を入れる。

「……確か、炎を灯せばいいんですよね」
「ほう、知っておったか」

そう言うとタルボは笑みを浮かべた。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!