Subsequent Descent 2 「今回はこれで引いてやるよ」 「次はぁ……絶対にエリダ達が、君達をボッコボコにしてあげるから♪」 先ほど自らを僕と呼んだ少女――エリダがそう言った後、3人は消えた。 そう、消えた。 「今の、幻覚……!?」 「……はい、みたいですね。 そういえば昔聞いたんですが、明人さんの幻覚は遠い場所から使っても長時間持つそうです」 寿也の言葉を聞き、慶喜は背中に氷を入れられたかのようにゾッとした。 そんな彼に気がついたのか部長が近づいてきて笑う。 「平気ですよ沢田君。 真っ正面からやり合っても負けない自信があります」 「……そうですね。 部長と黎雨ちゃんが負けるはずがない」 慶喜がそう返せば、部長は『当たり前です』と言ってその頭をくしゃりと撫でた。 これが杞憂でないのはわかっていたけれど。 輪廻達と明人との差もわかりきっていたけれど。 慶喜は少しだけ落ち着いた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |