Subsequent Descent
1
しばらくして炎が消えると、皆が慶喜に駆け寄ってきた。
「沢田君!」
「先輩、大丈夫ですか!?」
「う、うん……皆は?」
ぼやける視界でよく見えない彼がそう問うと、潤弥の声がその耳に届く。
「僕が怪我するとでも思ったわけ? 巻き込まれはしたけど無傷だよ」
「うむ。 何故か怪我はしておらんぞ」
行人のそう言う声がして、慶喜は思わずホッとする。
炎が違ったからだろうと言えば、ようやく見えた彼の目に映ったのは何処か納得する者と首を捻る者が半々の様子。
そんな時
「てめぇら、敵に背を向けて随分余裕だな?」
さっきまで腕を押さえて唸っていたはずの修羅の声がした。
しかしそこに怒りや殺気は無い。
「……あーあ、何かやる気起きねぇんだけど」
「僕もどうかーん」
藍色の髪の青年――明人と、もう1人いた守護者がそう言う。
少女なのだが、一人称は僕のようだ。
少しするとその3人が立ち上がった。
怪我はない。
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