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Subsequent Descent
7
 昔、慶喜は父から聞いた事があった。
ボンゴレ10代目の必殺技のような物の存在を。
両腕を交差させ、カウンターバーナーから柔の炎、グローブから剛の炎を噴射する技。
バランスが取れなければ成功し得ないそれの為に、開発された物があった事も。
今自分が付けているこのコンタクトとヘッドホンが多分それだろうと考えた彼は、聞いていた通りの構えをしてタイミングを待つ。

『NEWパーツヨリカウンターバーナー噴射』

途端、噴射口から大空の炎が噴き出す。

『カウンターバーナー炎圧上昇』

少しすると、慶喜が構えた両手に噴射口から出たのとは少し違う色の炎が集まり始めた。
コンタクトのゲージが次第に限界へと近づいていく。

これで倒せる。

その思いと同時に、彼の中でもう一つ。
彼の中に考えが浮かんだ。

命は奪っちゃダメだ。

慶喜がそう思った途端、何かが変わった感覚がする。
例えるならば、自動車のギアを変えた様な。
多分、このまま行けば……倒さなくて済むだろう。
しかし、彼は口にはしない。

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