Subsequent Descent 3 教室に荷物を置くと彼は部長のクラスである3ーBに急ぐ。 相手がいないか聞く為に入れば、本人が視界に入った。 「部長、おはようございます!」 「おや、沢田君じゃないですか。 今日は水曜だから朝練は無いですよ?」 「あ、そうでした……じゃなくて! 何で今日は先に登校したんですか?」 慶喜がそう尋ねると彼は明らかに眉間にシワを寄せた。 少ししてそれをやめたかと思えば深呼吸を数回し、ゆっくりと口を開く。 「少々風紀委員に用事がありまして。 にしても……まだ気づいていないんですか? 貴方は」 「気づく? 一体何に」 「君の教室に向かいましょう。 持って来ている物があった方が話が早い」 慶喜にそう言い放った彼こそ、男子卓球部の部長。 そして黎雨の兄である3年生・久堂輪廻(くどうりんね)その人であった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |