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Subsequent Descent
2
 日本人には珍しい色素の薄い黒髪と紫色の目が印象的な彼女は、右目に眼帯をしている。
小さい頃事故に遭って以来右目が開かない為、それを隠しているそうだ。
閑話休題。

「あれ、部長は?」
「兄さんは先に行ったの。 今日は一緒じゃないわ」
「そうなんだ……」

何気無い会話をしながら、彼らは通学路を歩く。
慶喜達が通うのは並盛高校と言うこの辺り唯一の高校だ。
なので、隣町の黒曜に住んでる黎雨やその兄もわざわざここまで通わなければならない。
いつもであれば学校に着く少し前辺りで合流して3人で行くのだが、今日は何故か部長が先に行ってしまったらしい。

「もしかしたら、男子卓球部に何かあるのかも」

黎雨にそう言われ、慶喜はビクッとした。
嫌な予感がした彼は慌てて口を開く。

「ごめん。 気になるから俺も少し先に行くね!」

そう言ってから彼女が頷くまでちゃんと確認した後、慶喜は既に近づいていた校門を駆け抜けた。

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あきゅろす。
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