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Subsequent Descent
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「綱吉さん、やっぱり寿也君が『嵐』なんですね」

 慶喜が肯定する形で言うと、綱吉はゆっくりと頷いた後に口を開く。

『そうだよ。 それと、気になるから単刀直入に聞くけど……『雨』はまだ、降り出さないかな?』
「っ!」

彼の聞き方が、天気を聞くかのような言い方だった。
あの詩が天気の移り変わりのようだから、わざと合わせたのだろう。
慶喜が『まだです』と告げれば、綱吉は『やっぱり』と返した。
予想はしていたけど確証がなかった、と言った感じの口ぶりである。

 実を言うと、雨の守護者はまだ見つかってない。
それどころか、誰なのか見当すら付いていないのだ。
しかし、もし詩の通りであるならこれから現れるはずなのだ。
あの文面からして、本当ならば昨日のあの時に現れてもおかしくはなかったのだが。
気にしすぎても始まらないか、と慶喜が思った直後だった。

「あれ、ヨシ達は動いてる」

そこに鼎が現れたのは。

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あきゅろす。
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