Subsequent Descent 1 翌朝、部活の練習の為に早く来た慶喜達は、先にいた人物を見て驚いた。 それは 「寿也、君?」 そう、寿也だった。 彼が思わず名前を呟くと、ようやく気づいたらしい相手はこちらを向いた。 その後、ゆっくりと口を開く。 「あ、先輩方、おはようございます!」 そう言う寿也の顔に、慶喜を憎むような様子は全く現れておらず。 まるで昨日の事が夢なのではないかと思われるほどだ。 しかし相手は彼に近づいて来ると、自分から言い出した。 「沢田先輩、ご叱責ありがとうございました。 俺、おかげで目が覚めました!」 言われて、慶喜はふと概容を思い出す。 彼は気恥ずかしくなったのだが、寿也は目を輝かせていた。 しかし、次に開かれたその口から出たのは 「あ、後、昨日の夜に偶然思い出したんですが、ローザさ……14代目がこの間、リングが偽物だと言ってたんです」 彼らの知りたくない真実だった。 [次へ#] [戻る] |