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Subsequent Descent
3
 その日の放課後、転校生が卓球部に見学にやってきた。

「イタリアの学校でも卓球をやってました! 壱崎寿也(いちざきとしなり)です、よろしくお願いします」

その顔を見て、慶喜は何となく綺麗だと思った。
男にしては明らかに整っている方である。
銀髪に緑の鋭い目と言う組み合わせは、まるで10代目の際の嵐の守護者のようでもある。
まさかと思ったのを最後に考えるのをやめると、とたんに周りの女子の騒ぐ声が彼の耳に入った。
その視界に偶然入った黎雨は、全く違う意味で彼が気になっているようだが。
ふと気になった慶喜は輪廻には本当の事を話し、物を取り出しにいくフリをして鞄のある場所に向かった。
リングケースを開けて、思わず息を呑む。

「……共鳴っ!?」

嵐のリングと雨のリングが、うっすらと光っていたからだ。

まさか。
まさか、やっぱり彼が?

その時慶喜は、彼もだとは思いもしなかった。

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