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Subsequent Descent
2
「何ブツブツ言ってんだ? ヨシ」
「あ、ごめん」

 『良いって』と言いながら笑う、慶喜の隣の席に座る少年は、慶喜の幼なじみである岳田鼎(たけだかなえ)。
彼の知り合いは皆、鼎と呼んでいる。
野球部に入っており、1年生の時からレギュラーを取れた程上手い。
その上女子からも絶大な人気がある。
しかし本人は、『今は野球が恋人だから』などと言えてしまう位の野球好き。
そして、根からの天然……のはずなのだが。慶喜は彼に対して、稀にだが何処か演じているように感じる時があるそうな。
裏がありそうと言うのか……擦れている人物のような気がするらしい。
まあ、彼にとっては苦手ではなく、寧ろ好きな類(たぐい)の良い友人なのだが。
ただ、時々する獣のような目は非常に怖いらしい。

「ではこれで朝会を終わりにします、起立!」

司会の先生の声が聞こえて、不毛な会話をしてた彼らは慌てて立ち上がった。

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あきゅろす。
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