Subsequent Descent
1
時が経ち、次の日。
全校朝会の中で1年B組への転校生が紹介された。
イタリアからの帰国子女で、イタリア人と日本人を両親に持つハーフだという。
慶喜はその家族構成に聞き覚えがあったが、気にしないことにした。
そんな風に彼が考えていた時、司会の教員の声が耳に入る。
「新しい先生が赴任されました」
その言葉に興味を持った慶喜が、ふとステージを見る目を細めた時だった。
「今日からこの学校で働く事になった、オネストです」
そう言ったのは、壇上にいる金髪碧眼のまるで軍服のような服を着た男だった。
その胸元には、シルバーのプレートと共に、水色のおしゃぶり。
どうやら雨のアルコバレーノ、らしい。
雨、と考えて慶喜はふと思い出した。
昨日、クロームが再び現れ、あの詩のようなヒントを教えてくれたのだ。
その内容を思い出し、彼は呟く。
「『霧は晴れるが風吹きすさび、嵐は雲を招いて雨を降らす』か」
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