Subsequent Descent
1
「浪野行人、こいつを使え」
そう言って男が行人に手渡したのは、薄い黄色の匣だった。
気づけば、いつの間にやらクロームと骸はいなくなっている。
隠れているのだろうか。
そう思った慶喜はそれについて、そしてボルサリーノの男が匣を持っている理由について。
どちらも気にしないことにした。
自分に対する呼び方と対応からして、相手も生まれ変わりだろうと予想していたからだ。
「これは?」
「晴れコテだ。 ヨシが持ってんのは、ボンゴレ匣の晴れカンガルーだからな」
それを聞いた行人は、何の戸惑いなしに持っている。
彼がリングを渡すと、相手は何の戸惑いなくそれを指に嵌めた。
直後晴れの炎が灯り、行人は開匣。
コテを手にしたまま彼は口を開く。
「輪廻、ちょっと上着を脱げ」
「……はぁ、しばらくすれば治るんですがねぇ……」
そう言いつつも、輪廻はブレザーを脱いだ。
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