Subsequent Descent
1
「ヴェール、嵐、今からあいつらに会いに行く気なんだが……お前らも来ないか?」
リナーシタがそう問うと、嵐は首を軽く横に振った後に口を開く。
「私はここで留守番しています」
「そうか……ならカルモ、お前は来ないか?」
「うち、ですか?」
断った嵐を一瞥した後のリナーシタに尋ねられ、少女――カルモは少し驚いたように返す。
その胸元には、橙色のおしゃぶりが輝いていた。
彼女は少し悩んだ後ゆっくりと頷き、口を開く。
「沢田さん達に、会ってみたいです」
「なら良かった。 じゃあ、俺とヴェールとカルモの3人だな」
彼がそう言うと、ヴェールとカルモは頷いた。
少しして、簡単に荷物をまとめた彼等は外に出る。
彼等が出てきた雑居ビルがある場所は、並盛商店街の中心辺りだ。
リナーシタ達は、何故かそのまま迷う事なく、慶喜達のいる方へと歩き出した。
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