Subsequent Descent
3
慶喜はようやく確信を持つ事ができた。
『姫』という一人称。
特徴的な口調や『しししっ』という笑い方。
ナイフとワイヤーでの戦い方。
匣動物の嵐ミンク。
そして、ヴァリアーの嵐である事。
どれを取っても、確かに彼にしかたどり着かない。
「ベルフェゴール、さん?」
「せいかーい♪」
そう言ってルーナはまた愉快そうに笑った。
という事は、ソーニョはフランなのだろう。
この調子でいけば、やはり他のヴァリアーも……
そこまで予想した後、慶喜はグローブから炎を噴射して浮かんでみようとした。
けど少し浮かんだだけでふらついてしまい、落ちる。
慌てて立ち上がった所にルーナが駆けてきた。
「骸さん!」
「わかっていますよ」
そう言いながら、骸は黎雨の体で、ソーニョの攻撃を軽やかに避ける。
少しして彼はリングに炎を灯し、注入する。
「開匣、霧蝶(ファルファッラ・ディ・ネッビア)」
そこに現れたのは、何匹もの藍色の蝶だった。
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