Subsequent Descent
1
次の瞬間、慶喜の中で何かが外れるような感覚があった。
力が何処からか溢れ出て来るような、そんな感覚だ。
そんな彼を見たルーナは、匣動物(ボックスアニマル)の嵐ミンクを撫でていた手を止めて苦笑する。
「げ、超(ハイパー)死ぬ気モードかよ……」
「せんぱーい、口調が若干男っぽくなってるぜー」
「お前も若干変わってるし! 何ならカエル帽子被せてやろーか?」
慶喜は相手がもう少し慌てるかと思ったが、予想に反して2人とも余裕そうだ。
超死ぬ気モードになってもさして変わらないんだな、などと思いながら、ふとグローブに目をやった。
左手の甲にローマ数字の5、右手の甲に10とついている。
この間出てきた時の綱吉がしていた、あのオレンジ色のグローブのようだ。
あれはVG(ボンゴレギア)と言うそうだが。
閑話休題。
「おチビさんと切り裂き王子(プリンス・ザ・リッパー)ですか……仕方ない」
輪廻のそんな声が耳に留まった為振り返ると、相手はもう動いていた。
「開匣」
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