大空を守護する者達
T 入れ替わり事件
「んなぁぁぁぁあっ!?」
その叫び声は、朝っぱらのヴァリアーのアジトとミルフィオーレのアジトに響き渡った。
声の主は言わずもがなあの兄弟である。
「ゔお゙ぉい、ベル! うるせぇぞ、どうしたぁ!?」
ヴァリアーのアジトに響き渡った声の主――ベル。
そんな彼のもとに、慌ててやって来たスクアーロ。
彼を見たベルはその後に続ける。
「あ? やっぱ夢か? 何だって俺がダメな弟になってんだし」
「『ダメ』だぁ!? まるでてめぇの兄貴みてぇな言い方」
「痛いって事はガチか……後、みてぇじゃなくて中身は本人。 体はベルだけどな」
そう言ってベル――もといジルはつねっていた頬から手を離した。
彼がめくった服の下には、いつだかにフランが言っていた腹部の傷。
向きからしてこの体がベルである事は確かなようだ。
「マジで、ラジエルなのかぁ?」
「だからマジだし! 信じらんねぇとか馬鹿じゃねーの?」
そう言って、ジルはいつものように高笑いをした。
目の前の相手の高笑いを聞き、スクアーロは納得したような声をあげる。
「――あー。 その笑い方はてめぇだなぁ゙、ジル」
「笑い方が最終判断材料かよ」
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