大空を守護する者達 W 「――骸様?」 『おや、グレコじゃありませんか』 骸の呼んだ名前を聞き、ツナはハッとした。 フィエラにどうしたのか尋ねられて彼はようやく口を開く。 「ふと、前に骸や白蘭と話したのを思い出して」 「彼について?」 相手がそう言うと、ツナは頷いた。 そのまま彼は続ける。 「彼だけってわけじゃないけど、確かグレコ君って第2のクローム的存在とか言ってた子だよね?」 『えぇ、その通りですよ。 クローム以外では唯一の、契約を必要としない相手です』 そんな彼等の会話を聞きながら、ウェルキンは衝撃を受けていた。 信頼していた守護者が敵の関係者なのだから。 「にしても、何でステッラファミリーに?」 『僕が命じました。 まさか守護者になっているとは微塵も思いませんでしたが』 骸はそう言いつつウェルキンを見る。 相手が落ち込んだ様子でいるのを確認すると、続けた。 『ウェルキンさん』 「っ! な、何ですか?」 『我々の勝ちで、よろしいですね?』 そう確認する彼を見たまま、ウェルキンは口を開く。 「よろしいも何もあったもんじゃない。 こちらのボロ負けですよ――悔しいですがね」 [*前へ][次へ#] [戻る] |