大空を守護する者達 U 赤褐色は慌てふためく 「うわぁぁぁあっ!?」 シモンファミリーのアジトに、今となっては皆が聞き慣れてしまった悲鳴が響く。 しかしその声は低い。 少しして、声の主が居間に飛び込んできた。 「おはよう皆!」 「オハヨ、炎真♪」 飛び込んできた炎真に、部下であるSHITT-P!は挨拶を返す。 他の守護者達も返す中アーデルのみが違う事を口にした。 「炎真、今日はルーナファミリーのボスとの会談よね?」 「うん! だから間に合う時間に起きたんだけど……」 「言い訳は良いから早く食べなさい」 「あ、うん」 彼は言いながら席につき、『いただきます』と言ってすぐに準備されていたトーストを口にする。 「紅葉、口の周りに米がついてるわよ」 「む、結局すまない」 指摘された紅葉は右手に持っていた箸を置き、口の周りを探る。 「しとぴっちゃんは料理で遊ばない」 「ハーイ」 「らうじはゆっくり過ぎよ」 「あ、ごめん」 「薫は終わったなら食器を浸けて」 「わり」 「ジュリー、車を回して」 「りょーかーい」 彼女の的確な指示で、事が進んでいく。 これが、彼等のいつもの光景だ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |