大空を守護する者達 T 「そ、しかもすっっごくしょうもない理由」 白蘭がそう言えば、ツナは『え?』と呟いて固まる。 「しょうもない理由だと? 金か、売り買いか? それとも女か?」 「最後だよ、XANXUS君。 女がただでさえ少ないから、他から強奪という名の引き抜きをしてるんだってさ」 「確かに、そんな話を最近よく聞くような……」 「そ。 だからさ、それを逆手にとってボコボコにしてやろうぜ♪ってわけ!」 白蘭が無邪気な顔でそんな恐ろしい事を言うが、慣れとは、そして怒りとは恐ろしい物で。 「そんな奴ら、カッ消してやりゃあ良い」 「確かに許せないけど、殺したらダメでしょ。 死にたくなるほど苦しめるだけで十分だ」 ツナは、思わず笑顔でXANXUSにそうツッコミを入れた。 「まぁ、どうせマフィア界の暗黙の了解『女子供には優しくする』に引っ掛かるし、色々と黒い事もやってるみたいだし」 「なら……バミューダ達も出てきそうですね」 『バミューダ』と聞いてXANXUSがピクリと反応したが、白蘭はそれを敢えて無視して話を進める。 「それを狙ってるのさ、へましたらこっちが『鉄壁』行きだけどね」 「おい、なら良い方法があんじゃねぇか」 「良い方法?」 ツナと白蘭がハモれば、XANXUSは頷き、ニヤリと笑った。 「沢田」 「は、はい?」 「てめぇ 術士を使って女共に紛れ込め」 「は――っ!?」 ツナが口を開けた途端、壁に細く放たれる憤怒の炎。 XANXUSが少々キレ始めた証拠である。 「わ、わかりましたよ。 もう……」 「心配ならクロームちゃんも連れていけば?」 「それはダメです」 白蘭の提案をあっさりと一蹴し、彼は諦めたようにため息を吐いた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |