大空を守護する者達 T 「どうしたの、クローム?」 「ボス……報告書が遅れてるのは骸様だけど、骸様じゃないの」 「え?」 ツナはクロームの言葉に首を捻った。 彼女はそのまま続ける。 「まだ骸様の所に報告書が来てないの……」 「……じゃあ遅いのは、骸じゃなくてあの2人?」 ツナがそう言うとクロームは小さく頷いた。 直後、開いたままの扉の外から走って来る誰かの足音。 少しして、話題に挙がっていた張本人達――犬と千種が現れる。 「クローム、勝手に先に行かないでよ……まぁ、部屋はわかってるけど」 千種がそう口にすると彼女は小さい声で謝罪し、犬は黙ったままツナを見る。 「犬さん、どうしました? ……まさか」 「わりぃ! こないだ掃除した時に、間違えて捨てちまったみたいなんだびょん!」 「やっぱり!?」 彼はそう叫んだ後短くため息を吐き、椅子にゆっくりと腰をおろした。 机の一番上の引き出しから紙を取り出し相手に手渡す。 「……明日の10時頃、お願いします」 ―――― 10年経っても根は優しいままのツナと、若干懐柔されかけてる隣町ボーイズのお話。 [*前へ][次へ#] [戻る] |