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優男がスレるまで
3
「もう嫌だ、何で俺ばっかり……」



全てに染まりつつ、全てを飲み込み抱擁する大空。



 少し前にそれになると平穏な日々を捨てた事すら、毎日の忙しさで忘れてしまいそうになる。
確かに、今の自分は全てに染まってはいるのだろうが……

「抱擁するってなんだよ。 まとめられるわけが無いだろ!」
『――そういう事を叫ぶのはあまりよろしく無いぞ、デーチモ』

『あのアルコバレーノにバレる』とつけたしたのは、歴代の意思が眠るというリングから現れた初代。
そんな彼の声を聞いて、ツナは慌てて起き上がった。

「プリーモ!? い、いきなり出てこないでくださいよ!」
『無茶を言わんで欲しい。 こちらはもう生身の人間では無いのでな』

事実を言い切られてうっかり納得しかけたツナだったが、そこに何も関係性が無いことに気づく。

「いや、それ関係無い! 個人の意思で出てくる来ない位決められるでしょう!?」
『バレたか』
「バレたか、じゃないですよ!」

全くお茶目すぎるご先祖だ、と思ったツナは再び考える。

何故自分ばかりこんな目に遭うのか。
何故自分以外に止めるような人物がいないのか。

他のボス達は、自分とは真逆だと言うのに。
そこまで考えてふと呟いた。

「……もうやめたい」

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