9 気絶してたらしい俺は、目を覚ますと何故か檻の中にいた。 何で王子が捕まんなきゃなんねぇんだし。 しばらくぼーっとしていたら、唯一倒れてたスクアーロが目を開けた。 うるさくなるな、と思った次の瞬間。 勢いよく起き上がるとボスの方を見て口を開く。 「っ!? ――おい、XANXUS!」 「何で初めから決め付けてやがる。 俺はぶつかってきた不良を絞めただけだ――男爵の息子だったらしいが」 「ゴタゴタを起こしてんじゃねぇかぁ゙!」 ……るせー。 王子がそう思った時には、いつもみたいに殴られてた。 殴られて呻く姿を見て思わず笑った。 それに気づいたのか、スクアーロは慌てて俺を見て口を開く。 「ベル、てめぇ!」 「シシシッ、だって馬鹿みてぇなんだもん。 つーかボス、男爵は爵位の5段階の中で1番下だよね?」 「あぁ、だから言ってやった。 『貴族だったら何でも許されるのか』『貴族に責任は無いのか』ってな。 そうしたら『庶民風情が生意気だ』となってこの有様だ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |