8 今度は両手を前に出すと、爺さんは尋ねてきた。 「やはり追加だ。 何か能力を渡したい、提案はあるかな?」 「例えば?」 ルッスーリアが尋ねると爺さんは続ける。 「寿命以外では死なない体や、高い身体能力と言った所か」 「ならいらないですー」 「――は?」 あっけに取られたみたいな声をあげてきたから、俺はカエルに続く。 「今ので十分だし」 「この力だけでボスを守り、生き抜いてみせる」 「それに、貰ったら能力にかまけて頼り切りになりそうだわ」 「俺達に甘えはいらねぇからなぁ!」 「――カス共が、わかってんじゃねぇか。 こういうわけだ。 神、能力はいらねぇ」 他の奴らまで何か意見を言った後にボスがそう締めると、爺さんは笑みを浮かべた。 俺らがそれを疑問に思っている間に、そいつは続ける。 「君達の繋がりはとても強いようだ。 わかった――ウルテリアの世界神・ウルティマの名において、この場にいる6人を我が世界へと転生させる!」 直後全てが真っ白い光に包まれて、次の瞬間には何も無くなった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |