5 それを聞いてたらしいボスが、突然口を開く。 「つまり、俺達に『英雄』をやれって事か?」 「それは君らの自由さ、無理強いはしない主義なのでね。 好き勝手にあっちで生きて、気が向いたら何かすれば良い」 爺さんがそう説明すると、俺も含めてみんな納得したような顔をした。 そんな俺らの様子を見てから爺さんはさらに続ける。 「君らには敢えて、魔力を渡さない事にする。 今のその力を魔法だと称してしまえば、あちらでは通用するからな」 「そんなにすごいかしら……」 ルッスーリアが呟くと他の奴らも頷いた。 俺もそう思ったから頷くと、見てたのか爺さんが口を開く。 「もしかすると、あちらの魔法よりもすごいかもしれない。 特に幻術は、質が高ければ高いほど尊敬されるだろうな」 「っ!」 それを聞き、俺らはらしくもなく息を呑んだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |