27 「おい、あのいかつい男……」 「手配書そっくりよ!」 「でもあれによると、周りにいるのは全員男らしいからな……」 路地から出た途端、そんなひそひそ声が耳に届いた。 ……いらっとしたけど、どうにか我慢。 しばらく歩いて宿屋を見つけた俺らは、そこの頭と話し合って長期滞在を認めてもらった。 その日の、夜。 俺らは話し合いをしていた。 「まず決めるべきは、これからここでどう過ごすか、だなぁ」 「ルッスーリアがあの貴族に名乗っちゃったし、ヴァリアーとしては動けねーよな」 スクアーロの言葉に俺がそう返したら、ルッスーリアが、気まずそーな顔をした。 ししっ、おっもしれー。 「この姿で新しい仕事でもしますかー?」 「一番早いのはそれだろうな」 「……てめぇら、うるせぇぞ。 他の部屋でやれ」 レヴィがカエルに賛成した直後、ボスがブチ切れ寸前の声でそう言った。 俺らは慌てて移動。 とりあえず、『ギルドに登録しよう』って話になった。 少しだけ楽しみかもな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |