19 「え、でもそれは、おにいさんの」 「ん」 ガキンチョは、ボスが差し出した肉をボスのだって言って断った。 でもそこはボス。 その肉をもっかい差し出す。 突然誰かの腹の音が聞こえた。 すると断ってたガキが顔を真っ赤にする。 お前かよ。 「腹減ってんだろうが、食え」 「――う、ん」 ボスの言葉にそう返してそいつは肉を受け取った。 初めは恐る恐る食らいついてたけど、ゆっくりと、小さく、しかししっかりと笑みを浮かべる。 それを見て皆ホッとした。 「しし、ボスがガキに優しくするとか意外だし」 ガキが眠りに就いたのを確認した後、王子はそう言って笑った。 でもすぐにボスに睨まれて俺は黙る。 すると待っていたかのようにレヴィが口を開く。 「暗黙の了解ですか? ボス」 「――あぁ」 ボスはそう返すと俺らに背を向けた。 少ししたら寝たみてーで、それを見たスクアーロが口を開く。 [*前へ][次へ#] [戻る] |