15
俺達はしばらく歩いた後、屋敷の近くの森の中で野宿の準備をしていた。
もちろんボス以外の奴らが、だけどな。
大体の準備が終わって、全員が1カ所に集まった、その時。
「――ぅ……?」
木の幹に寄り掛からせていたガキンチョが目を覚まして、王子達に気が付いた。
すぐにそいつは立ち上がって離れ始める。
「――だ、れ? パパたちの、しりあい?」
「違いますよー……と言っても信じてくれませ」
「ごめんなさい」
ガキが突然謝り始めた。
意味がわからない俺達が見る中、そいつは泣き出す。
体は、震えてた。
「――使えない子でごめんなさい、魔力がなくてごめんなさいダメな子でごめんなさい、生きててごめんなさ」
「言うな」
そう言って、スクアーロがガキンチョを抱きしめた。
そいつはゆっくりと口を開く。
「――パパのしりあいじゃ、ないの?」
「ちげぇぞぉ」
「ぼく、すてられたんじゃないの?」
「寧ろ王子達が助けたんだよ」
「ころされたり、しない?」
「しないわよ」
俺達の答えを聞いて、そいつはさらに涙を流した。
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